オーダーメイドのファーストシューズができるまで。【前編】

2017/06/27 2017/06/28

みなさんこんにちは。
チョーチ・チョーチでは商品一覧にある定番ベビーシューズにちょっと手を加えた、セミオーダー形式のご注文を承ることがあります。

イニシャルを入れたり、何かしらのモチーフを入れるような形ですが、出来上がっているシューズにペタン！とパーツを後付けするのではなく、型紙に沿って切った革にオリジナルのパーツを縫い付けてから靴に成形していくので、仕上がりまでには1ヶ月以上かかります。

それでもファーストシューズをさらに特別なものにしたい！とご相談くださり、仕上がりまで長くお待ちくださることに感謝しながら、どんな風にして出来上がるかという一例を、今回は詳しくご紹介したいと思います♪

ベビーシューズのテーマは「サッカー」

今回はサッカー選手へのご出産祝いとのことで、「何かサッカーをイメージできる感じで」とのご依頼。チョーチのどのデザインをベースにしたいとか、どんなモチーフをつけたいといった具体的なものは提示されず、お任せで！という感じでした。

スニーカーの配色変え

サッカーですからスニーカーをアレンジするのが良いだろうと考え、まずは配色検討。

こちらはチョーチ・チョーチ立ち上げの時に私自身が描いた手書きのデザイン画です。

実際、定番カラーのベビースニーカーもこれに色付けをして検討してきたのですが、同じ要領で画像加工ソフトを使って色付けしてみます。

この方法で、基本的にこの配色がアリかナシかを判断します。
ちなみにこの配色はこのサッカー選手が所属するチームにちなんだもの。ちょうど同じような色の革があって良かったです♪

モチーフはやはりサッカーボール

配色の工夫だけではサッカー感は出ないので、何かモチーフを検討します。やっぱりサッカーならボールがわかりやすいですよね。

ちなみに、みなさんは「サッカーボールを描いて」と言われたら、どんな風に描きますか？大きな丸を描いてみて、その中に五角形やら六角形やらを描いて…と、ざっくりこんな感じなりませんか？

これだと「サッカーボールを描きたいんだな」という気持ちはわかるけれども、このまま丸の中全部を五角形と六角形で埋めてもサッカーボールには見えない…　模様？柄？のある球体を描くなら、どの多角形も正面を向いてるような、こんな描き方ではダメなんです。

なので、ちゃんとボールに見えるように描く必要があります。ソフト上の描画では余計に時間がかかって難しいので手描きにチェンジ！鉛筆で描いては部分部分消しゴムで消して描き直し、修正を加えて行きます。

ベビーシューズって本当に小さくて、側面でモチーフをつけられる面積はごくごく限られています。それを考えたらボール丸々入れるよりも半球にした方がいいなと思い、手書きのボールはこんな風になりました。

よしよし、球体感はちゃんと出せたぞ！と、ボールのパーツについて製作技術者さんに伝わるように細かい部分まで具体的な指示を書き込みます。

ちなみにこの時はボールの色がついた部分はシューズの下地を出すように切り抜く方法を提案しましたが、技術者さんからは別で切った革を上から縫い付ける方がやりやすくて仕上がりも綺麗になると言われ、そのように変更しました。

サッカーボールを当てる位置

ボールが良い感じにできそうなので、実寸で紙にプリントして、定番のスニーカー・レッドに当ててみます。この工程はどのデザインでも実はすごく大事。PC画面上だと実際のシューズより大きく、パーツをつけるなど自由に使える面積を広く感じてしまうので、靴にこの大きさでつけて本当におかしくないのか、かわいい仕上がりになるのかを確認するために非常に大事なステップです。

で、今回のボールパーツを最初はかかと側から、ボールとかかとの中心線を揃える形で当ててみたのですが…